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完成まで半年以上かかった!オーダー家具で生まれ変わった老舗ホテルの玄関

今回のインタビューは、創業65年を迎える東京都荒川区のときわホテル様です。2017年8月に下駄箱と玄関のスノコ、スロープ、傘立てをご注文いただきました。 オーダーいただいた経緯から、製品が出来上がるまでの流れ、そしてオーダーするにあたってこだわった点など、クラフトワークをご利用いただいた感想を伺いました。

玄関の課題を解決したかった。オーダー家具で改善を検討

―それでは、自己紹介をお願い致します。

向井様:ときわホテルの向井と申します。

日高様:フロント係の日高です。

―今回、オーダー頂いた経緯を教えて下さい。

向井様:当ホテルは最初、割烹旅館からスタートしたので、その当時から現在までお客様には玄関で「靴を脱いで、スリッパを履く」という動作をしていただいています。

それでも下駄箱に入る数には限りがあって、お客様の多い日は、靴が玄関にたくさん並ぶ事もありました。ですので、出来るだけたくさんの靴が入る下駄箱を作りたかったんです。

スロープを作る前は、玄関に段差があって、お客様の荷物の上げ下ろしが大変で。特に、海外のお客様の荷物は大きくて重いのでスタッフも上げ下ろしに苦労していたんです。

今回オーダーいただいたときわホテルの玄関家具一式
今回オーダーいただいたときわホテルの玄関家具一式

ヒアリングからデザイナーさんと一緒に来てくれたことが信頼につながった

―今回、クラフトワークにオーダー頂いた経緯は何だったのでしょうか?

日高様:僕が向井さんから相談を受けた時、すでに業者さんは選ばれていたんです。

しかし、比較検討したいので、他の協力会社も探すことにしました。

業者さんとお話をするきっかけに使ったのが、このスケッチです。スケッチを見ながら話をするので、イメージが伝わりやすいのですが同時に相手の反応や感性を測ることもできます。

日高さんによる手書きのスケッチ
日高さんによる手書きのスケッチ

他の業者さんの工房に行ったり、職人さんに会って話をするんですが、どうにもしっくり来ない。そんな時、クラフトワークさんは、一番始めにデザイナーさんを連れて来たんですね。ヒアリングから職人さんとデザイナーさんが一緒に来る業者さんはクラフトワークさんだけで、「きっと良いものを作って下さるんだろうな」と思ったのが決め手でしたね。

―ありがとうございます。

日高様:ウォールナットで作りたかったんですが、こちらから「こうしたい」と言えば、「では、こうしたらどうですか」という”密なやり取り”がしたかったんですね。クラフトワークさんとなら、それが実現できるだろうなと。

あとは、鵜沼さんのプロフィールの “海外放浪癖“ というのを見て、いろんな文化を取り込みながら海外も日本もあちこち見て歩いている人って、家具職人ではなくてクリエイターだなって思って。和洋折衷で作りたいと思っていたので、ちょうど感性が合ったといいますか(笑)

オーダーにあたって主にやりとりを担当して下さった日高さん
オーダーにあたって主にやりとりを担当して下さった日高さん

完成までは半年以上!?密なやりとりを続けて細部までこだわった

向井様:かなり長い期間やりとりをされてましたよね。

―そうですね。半年くらいでしょうか。ちょうど1年位前に初めてご連絡頂いて、概要が決まったのが年末くらいでしたね。そこから細かい部分を詰めていって、取手を輪にするとか、和のコンセプトを入れられるようにとか、それをどういうふうに形にしていくとか。

向井様:玄関にかざってある絵は外さずに掛けておきたかったんです。知人に描いてもらったもので、構図が円になっているのですが、千客万来みたいな縁起もので。

それを日高さんに話したことから、“縁(円)”というのをイメージされたんですよね?

ときわホテルオーナーご息女の向井さん
ときわホテルオーナーご息女の向井さん

日高様:ここに来て頂くお客様に、自分の家のように「ただいま」と言って頂ける玄関にしたかったんです。和洋折衷というコンセプトと、木の部分を大事にしたかったので、円というのを取り入れました。木の柔らかさと円を混ぜて、どうすればホテルの顔になるか、毎日考え続けていましたね。

ウォールナット材を使った下駄箱
ウォールナット材を使った下駄箱

向井様:取っ手部分の試作品も2回送って頂きましたよね、太いのと細いのを。細いほうがいいんじゃないかってスタッフが話していたんですが、こんなに細くて大丈夫なのかな?と思ったりもしたんですけど。職人泣かせの細さでしたよね・・・。

―始めは、壊れちゃう可能性があるので、太くしませんかって、日高さんに言ったんです。

日高様:却下しました(笑)お客様が最初に触れられる部分なので取っ手にはこだわりたかったんです。鵜沼さんならきっと実現してくれるだろうと思いまして。

―どうやったら細くてもちゃんと使えるモノになるかはデザイナーともかなり考えましたね。今回、鉄が裏に付いてるんですが、中に埋め込むように設計しました。

試作を重ねて完成したというこだわりの取っ手
試作を重ねて完成したというこだわりの取っ手

新しく作ったスノコとスロープで快適なおもてなしに

―今回はスノコも作成されましたよね

向井様:以前は、上がりかまちから上がってカーペットのところにスリッパを並べて、靴をぬいで上がって頂くことが普通だったんですが、だんだん、ここ靴脱ぐの?っておっしゃるお客様が増えて来て…段差と靴を脱ぐことがお客様のストレスになっていたんですね。今回、スノコを作ってもらってから、自然にそこで靴を脱いで下さるようになったので、お客様に対しても優しい玄関になりましたね。

日高様:スタッフが今まで抱えて上げていた重たい荷物もスロープを使うことで、すごく楽になりましたね。

ヒノキ材をつかったスノコとスロープ
ヒノキ材をつかったスノコとスロープ

向井様:スノコがヒノキになったいきさつって?

―これは、素足になった時の肌触りが良いことと下駄箱のウォールナットとの色の相性が良いので、私から提案させていただきました。

向井様:お客様に「木の良い香りがしますね」って良く言われるようになりましたね。

日高様:天然のヒノキは殺菌効果もあるんですよね。今回、木の勉強ができて楽しかったです。

ウォールナットの傘立てと下駄箱で、品のある玄関に

向井様:傘立てもすごく量が入るようになりましたし、分けて入れられることができてよかったです。既製品だと合うものがなかったので、どうしたらいいか悩んでたのですが、下駄箱と木材を合わせてもらったことで、うまく溶け込んでいて気に入ってます!

ウォールナット材を使った傘立て
ウォールナット材を使った傘立て

日高様:下駄箱も1段増やしたので全体のバランスがすごく良くなりましたね。

―天然の木を使っているので圧迫感がないんだと思います。

天然の木を使うことで背が高い下駄箱でも圧迫感を感じにくいという
天然の木を使うことで背が高い下駄箱でも圧迫感を感じにくいという

オーダーで作って良かったこと

―オーダー家具を依頼されてから何か変わったことや良かったことはありましたか?

日高様:ときわホテルは近代的な作りのホテルでも、デザイナーズホテルでもありません。和室もあるし、洋室もあるし温泉もあります。うちはうちの独自の顔を作って、お客様に快適にここで過ごしていただけるようなおもてなしをしたいと思っていました。特に、第一印象の玄関はこだわりたかったんです。今回お願いしたもの全部にたくさん思いがこもっています。

それが実現できたおかげかお客様に「また来るね」と言っていただけることが増えたような気がします。本当に嬉しいですね。

向井様:下駄箱の構想を考えはじめてから10年くらいなかなか進まなかったんです。みんなが納得いくものをクラフトワークさんに作って頂いて本当によかったです。

―ありがとうございます。

日高様:オーダーだと作り手の顔が見えるのがいいですね。作り手とコミュニケーションがとりながら、気持ちをくんでくれる、いろいろな角度から提案もしてくれるところも良かったです。

―逆に直してほしかったことや、こうしてほしかったということはありますか?

日高様:木材の塗装なんですが、塗ったものが何年たったらどう変化するのかわかるようなサンプルがあると、もう少し木材選びがしやすかったかもしれないですね。

―参考にさせて頂きます。本日は長い間お時間いただき、ありがとうございました。

長い時間をかけ、納得いくものができたことが嬉しいというお二人
長い時間をかけ、納得いくものができたことが嬉しいというお二人

インタビュー協力:ときわホテル様

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